「奥庭荘」の水場は、5月頃から秋にかけて「ウソ・コガラ・ヒガラ・キクイタダキ・ホシガラス・ルリビタキ」などを、比較的近くで見ることができる人気の野鳥観察スポットです。
「奥庭荘」へ行くには、有料道路「富士スバルライン」を利用することになります。マイカー規制や営業時間に制限があるので、事前に通行可能かどうかをチェックしてから行きましょう。
探鳥地の詳細
山小屋「奥庭荘」
野鳥が来る水場は山小屋の敷地内
「奥庭荘」は5号目にある施設で、宿泊や食事ができる山小屋です。施設内の水場に野鳥が来るため、登山客だけではなく、野鳥撮影の目的で来る人が多くいます。
オーナーさんによると、ここ数年でバードウォッチングで訪れる人が増えてしまい、土日祝日には30人くらいで水場を占領し、登山客が通りにくくなる事があるそうです。
訪れるならば、平日が良いでしょう。
▼画像中央付近:奥庭荘から4、5メートル先に水場
▼水場には止まり木もある
水場の観察をしたら感謝の気持ちを支払う
「奥庭荘」の水場は敷地内にあるので、場所を借りて観察する形になります。そのため「滞在&観察料」として、食事やおみやげの購入をして欲しいと、貼り紙されています。
富士山5合目で野鳥観察の場所を借り、温かいランチを目の前でとれるのはとっても有難いこと。支払うことで、山小屋維持の手助けにもなります。
優しく明るい女性オーナーさんの人柄に触れ、おいしい食事をとる時間もまた良し。先日頂いた「きのこそば」、きのこや天ぷらが入っていて、とっても美味しかったです。
▼きのこそば 800円(2022年9月現在)
「奥庭荘」は、富士山でとれた「コケモモ」をジャムにしています。とっても美味しいので、常連さんは迷わず購入していきます。
ジャムは重いし・・・と思う場合は、コケモモのジュースがメニューにあります。味わってみるのも良いですね。
奥庭荘周辺の散策もオススメ
「奥庭荘」のオーナーさんが必ずすすめるのが、「奥庭展望台」周辺のルート。ぐるりとゆっくり散策しても、30分ほどで「奥庭荘」へ帰ってこれます。
歩道は石畳が敷き詰められているので、迷うことがありません。
しばらく進んで振り返ると、大きな富士山が見えます。ゆるやかな裾野が見える、雄大な景色がすぐそこに。
お天気の日には雲海も。
このほか、低木や松などに囲まれた歩道あります。
野鳥のさえずりに耳をすませ、その声の方向を観察していると飛び出してくることも。歩道にたまった水たまりで水浴びしている「ルリビタキ」の幼鳥に会った人もいます。
私はここでは、9月に「キクイタダキ」を数羽観察できました。
タイミングが合えば、「ルリビタキ」「シジュウカラ」「コガラ」「ヒガラ」「ヤマガラ」などにも会うことができます。
奥庭荘にトイレはあるけれど
「奥庭荘」は昔ながらの山小屋です。
トイレは、公園の公衆トイレよりも狭くて暗い印象で、個人的には緊急性がなければ利用しません(1度利用して怖かった)。
とはいえ、山の中にトイレがあるだけでも有難いこと。雰囲気なんて気にしないよ!という方は問題ありません。トイレットペーパーも設置されています。
このトイレは、1回100円支払います。オーナーさんによると、富士山の雪は全部地面にしみ込んでしまうため、水はとっても貴重なのだそうです。
「奥庭荘」のトイレ、ちょっと怖いなぁ思う場合は、10分ほど坂道を登った駐車場横にもトイレがあります。こちらは比較的新しく、洋式があり、温かい便座がついていました。
MAP
奥庭荘への行き方・アクセス
車または自転車で、有料道路「富士スバルライン」を通り、「御庭バス停」前にある、奥庭自然公園入口付近の駐車場「奥庭駐車場」にとめます。マイカー規制期間は、基本的に通行できません。
奥庭駐車場から「奥庭展望台」に向かって10分ほど下ると、目の前に「奥庭荘」が見えてきます。
- マイカー規制あり
- 有料道路「富士スバルライン」を通って行く
- 駐車場は奥庭駐車場を利用
- 奥庭駐車場から奥庭荘へは坂道約10分
マイカー規制あり
夏の登山客や観光客で混雑するのを緩和するため、毎年7月中旬ころから8月いっぱいまで、マイカーで通れなくなっています。
1台も通れない!というのではなく、バス、タクシー、許可者、指定車などの特別な車両は通行可能です。そのため、バスで「奥庭荘」へ行くことも出来ますが、混雑する時期に、乗車料金を支払って乗車し、運行時間を気にしながらの短時間滞在になってしまいます。
「奥庭荘」へは、マイカー規制が解除されてからの方が効率的です。
ちなみに、2022年のマイカー規制期間は、7月15日(金)18時~8月31日(水)18時まで。連続48日間でした。
有料道路「富士スバルライン」を通って行く
「奥庭荘」へ行くには「富士スバルライン」という有料道路を通ることになります。
- 普通車:往復 2,100円
- 軽自動車・バイク(125.1cc以上):往復 1,680円
- 自転車・原動機付き自転車(125cc以下):往復 200円
(2022年10月現在の料金)
有人の窓口で、現金で支払います。ハイウェイカード、ETC、旅行会社等で発行されているチケットは利用できません。
また、この有料道路は月によって営業時間が違うので、奥庭荘での滞在時間を決めておく必要があります。
営業時間は月によってバラバラで、早朝3:00からの月もあれば、9:00からの月もあります。事前にチェックしてから行くと良いでしょう。
駐車場は奥庭駐車場を利用
無料です。50台ほど駐車できる広さで、トイレもあります。「奥庭荘」へ行く前にトイレをすませておくことをオススメします。
奥庭駐車場から奥庭荘へは坂道約10分
「奥庭駐車場」から、トイレの間に「奥庭展望台」案内の看板があります。下るように進んで約10分で「奥庭荘」が見えてきます。
その間も、両サイドの木々にカラ類が飛来するので、観察しながら進むのも楽しいです。
歩道は切り出した石が敷いてあり、坂道になっています。
「奥庭展望台」周辺も同じような足元で、アップダウンがあるので、足首をガードするシューズ(ミドルカットやハイカット)の方が歩きやすい道です。
これまでに確認された野鳥
「奥庭荘」の壁にも、これまでに観察された野鳥を展示しています。
季節によるのですが、主に「ルリビタキ・キビタキ・ウソ・ホシガラス・ヒガラ・コガラ・ヤマガラ・シジュウカラ・メジロ」、時々「ウグイス・メボソムシクイ・センダイムシクイ・キクイタダキ・カヤクグリ・ビンズイ・コサメビタキ」などの野鳥が観察されています。「イカル」「イスカ」は稀。
奥庭展望台ルートでは、水場で会えない野鳥も観察されています。
- アトリ
- アマツバメ
- イカル
- イスカ
- イワツバメ
- ウグイス
- ウソ
- エナガ
- カヤクグリ
- キクイタダキ
- キジバト
- キビタキ
- コガラ
- コサメビタキ
- ゴジュウカラ
- コルリ
- シジュウカラ
- センダイムシクイ
- ソウシチョウ
- ツグミ
- ツバメ
- ハシブトガラス
- ハシボソガラス
- ハチクマ
- ヒガラ
- ビンズイ
- ホシガラス
- ミソサザイ
- メジロ
- メボソムシクイ
- ヤマガラ
- ルリビタキ