野鳥の撮影にコンデジってどうなの?と思っていましたが、実際使ってみると、野鳥観察に集中できるしカメラの扱いもなんとなく分かってきます。
最初は手軽なカメラに慣れてから、フラッグシップカメラや画素数の多いハイスペックのミラーレスカメラを検討するのも良いんじゃないか?と感じています。
コンデジで野鳥撮影
普段カメラを使っていない人には、レンズを付け替えて使う、ハイスペックな高画素カメラは扱いが難しそうに思います。あれこれボタンがついていて大変そう。何より重いですよね。
私もまったく同じ気持ちでした。
でも、コンパクトデジタルカメラ=コンデジならば手軽に野鳥撮影できます。
何十万もする高級コンデジもありますが、手軽な数万円のタイプから使ってみるのも良いのではないでしょうか。
Panasonic LUMIX DC-FZ85は人気!価格が変動する3万円代のコンデジ
私が愛用しているカメラは「Panasonic コンパクトデジタルカメラ LUMIX DC-FZ85」。2017年3月に発売されたカメラで、2022年の春に購入した時には3万円代でした。
とってもオススメなのですが、まず価格についてちょっと補足です。
このカメラは発売から5年たっても人気があり、扱うショップによって価格が大きく違います。なので、価格は比較して購入することをオススメします。
2022年10月の最安値を調べたところ 38,280円でしたが、中古を8万円代で販売しているショップもありました。この2年間の価格推移は、平均3万円台で落ち着いているようです。
コンデジのメリット
では、この3万円台コンデジで野鳥撮影をして、良かった点を紹介します。
メリットは以下4つ。
- 軽い
- 手軽
- レンズの物欲を抑えられる
- 適度に撮影できる
軽い
レンズを付け替えない分、重さは軽減されます。
私が愛用している「Panasonic コンパクトデジタルカメラ LUMIX DC-FZ85」は、バッテリーとメモリーカードを含めて約616g。なんと1キロ以下なんですよね。
他のメーカーでは500gをきるタイプもあります。軽さ=機動性UPに繋がるので、一瞬を逃さず撮影できます。これはかなり大きいところ。
手軽
軽量コンパクトなので手軽に扱えます。
私の場合、最初はカメラバックに入れて使っていたのですが、最近はそのままバックパックに入れて自転車に乗ったりしています。
衝撃には気を付けたいところですが、こんなふうに手軽に持ち運びができるのも良さのひとつです。
レンズの物欲を抑えられる
レンズ交換できない事で、もっと倍率の高いレンズを!明るいレンズを!と、あれこれネットサーフィンせずに済みます。あるものを最大限に生かす。時間やお金が無駄にかかりません。
適度に撮影できる
コンデジといえどもスペックによるので、撮影結果は一概に断言できません。センサーサイズ、光学ズーム、シャッタースピードなどが良いものほど価格は上がってしまいます。
私が愛用している3万円台のカメラ「Panasonic コンパクトデジタルカメラ LUMIX DC-FZ85」の場合、解像度バキバキ!羽毛の繊維1本1本鮮明に!・・・とまではいきませんが、まぁまぁ楽しめる画質になります。
ざっくりしたスペックは以下の通り。
- 画素数:1890万画素
- センサー:1/2.3型 高感度MOS
- ISO感度:80~6400
- シャッタースピード:4〜1/2000秒
- AI被写体認識AF:なし
- ズーム:光学ズーム60倍
- 価格:35,000円前後
センサーサイズが小さいので、トリミングをすると画質のザラザラ感は否めないのですが、「光学ズーム60倍」が、結構効いてくれています。
では・・・この3万円台カメラ、どんな感じで撮影できるのか?を紹介します。
3万円台のコンデジでどこまで野鳥を撮影できるか
60倍ズームで遠くの野鳥を撮影
例えば、以下の画像。
中央の赤い矢印部分に、野鳥らしき影が見えます。見たまま、何もズームせず撮影しました。
最大までズームすると・・・
ほど良きサイズまで拡大して、トリミングしていますがここまで撮影できます。
とはいえ・・・なんとか「キビタキ」だと確認できるレベル。羽毛は全く解像していません。全体的にザラザラした感じになってしまいます。
2、3メートル先のカイツブリ
ならば近くの野鳥はどうなのかというと・・・
2、3メートル先にいた「カイツブリ」の幼鳥を撮影したのが以下の画像。
羽根に乗った水滴、羽毛の質感がぼんやり分かります。
ただ、これも鮮明かと言われると怪しいところ。水辺なので反射したのかもしれません。もう1枚、例を紹介します。
2、3メートル先のイソヒヨドリ
晴れた日、明るい色の羽毛は、ちょっと滲んでいるようにも見えます。
カイツブリ、イソヒヨドリ、どちらも同じような印象。
2、3メートル先の野鳥は、質感は分かるけれど、1本1本羽毛がくっきりとはいかないですね。
「高級コンデジ」になると、もう少し解像するでしょう。この結果を十分と思うか、もう少し鮮明に撮影したいと思うか?で、使うカメラが変わってくるわけです。
野鳥観察の目的でカメラは決まる
野鳥撮影をする人の目的は実に様々。
ざっとあげると
- どんな野鳥がいるか記録する
- 散歩しながら双眼鏡で観察・カメラなし
- インスタグラムで注目される画像が欲しい
- 飛翔シーンをとりたい
- 2、30メートル先の野鳥を鮮明に撮影したい
といったところです。
コンデジで撮影するのがOKな目的
つまり、
- 記録用
- 気軽に使いたい
- スナップでOK
といった場合に向いています。飛翔シーンや遠くの野鳥を鮮明に撮影したいとなると、例えば、高画素のフルサイズセンサー搭載のミラーレスカメラが向いています。
ミラーレスでも、フラッグシップモデル(メーカーの最上位モデル)や高額なカメラとレンズほど、鮮明に撮影できるというのが現実なんですよね。
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もう少しハイスペックな高級コンデジも視野に
いや・・・それは分かってる。コンデジでも、もう少し鮮明に撮影したいんだよ。という場合は「高級コンデジ」という選択もあります。
その場合、以下のスペックに注目してみてください。
- センサーサイズは1型以上:画質にこだわるなら大きい方が有利(※)
- F値が2.0以下:数値が低いほど光を多くとりこむ。ボケ感もUP。
- 光学ズームの倍率が高い:解像感を落とさずに遠くの被写体を撮影できる
- シャッタースピードが速い:飛んでいる野鳥撮影の場合、1/1500~1/2000秒が目安
(※)センサーサイズ:APS-Cやフルサイズを搭載したコンデジもあります(以下、緑色や黄色のサイズ)
ただ、コンデジに何十万もかけられるのならば、最初からレンズ交換ができるミラーレスカメラを検討した方が、色々なシーンに対応できます。細かい設定を自分なりに変えていけるので、撮影スキルを上げていくことも出来るでしょう。
コンデジは野鳥観察に集中できる
3万円台のコンデジについて、メリットや画質を紹介しました。
センサーサイズが1/2.3型の場合、フルサイズのミラーレスカメラには鮮明さはかないません。けれど、
- 軽い
- 手軽
- レンズの物欲を抑えられる
- 適度に撮影できる
というメリットがあります。
野鳥観察を始めたばかりのころは、どんな鳥がどこにいるのか、どれくらい近くまで寄れるのか、どこに待機していたら鳥のほうから近くにきてくれるのか・・・などを探るので精一杯。
まず、そんな野鳥の動きを肌で感じてから、高性能カメラを探しても良いのかなと思います。最初から鮮明な羽毛を撮影したいんだ!という場合はコンデジをおすすめしません。
コンデジはポン!とバックに入れて旅へも行けます。他のカメラを購入した後でも、手軽に使える身軽さ、なかなか良いですよ。