オリンパスのフラッグシップ(メーカー最上位)カメラと、パナソニックの3万円代コンデジで、どのくらい解像感が違うのか、今回は比較画像を紹介します。
私はコンデジを愛用しているのですが、相棒がオリンパス「OM-1」を使い始めたところ、同じ被写体でも映り方が違ってなかなか面白い結果になりました。
画像補正している画像もあるので、ここでは羽毛の見え方に注目してください。
オリンパス「OM-1」とパナソニックのコンデジ「LUMIX DC-FZ85」の差
オリンパス「OM-1」に、100-400㎜のレンズを付けて撮影した結果、以下作例では、全体的にオリンパス「OM-1」に軍配が上がりました。
撮影者の腕、使うレンズ、環境にもよりますが、カメラ初心者が思い切って語ると
- センサーサイズ
- シャッタースピード
- AI被写体認識AFの有無
の違いによるものが大きいのではないか?と感じます。
比較的近くの被写体ならば、パナソニックのコンデジ「LUMIX DC-FZ85」も頑張って羽毛もそこそこ解像しますが、やはりオリンパス「OM-1」にはかないません。
以下、いくつかの作例で比較してみると、その差が表れています。
2~3メートル先の野鳥作例
イソヒヨドリ
オリンパス「OM-1」
パナソニックのコンデジ「LUMIX DC-FZ85」
被写体の大きさは違うものの、オリンパス「OM-1」の方が、バキバキに解像してますね。お尻のあたりの暗い部分も、ちゃんと羽毛が見えます。
曇りのカイツブリ幼鳥
オリンパス「OM-1」
パナソニックのコンデジ「LUMIX DC-FZ85」
けっこう、パナソニックのコンデジ「LUMIX DC-FZ85」も頑張っています。しかし、全体的に「なんとなく鮮明にみえる」といったところ。
一方、オリンパス「OM-1」は、「AI被写体認識AF」が効いていて、顔の周辺にも焦点が合っています。
明かりが足りない日でも違いは明らか。
7~8メートル先の野鳥作例
悪条件でコゲラ
オリンパス「OM-1」
パナソニックのコンデジ「LUMIX DC-FZ85」
逆光で薄暗い場所での撮影です。
悪条件で7、8メートル離れた場所になると、どちらも甲乙つけがたい。このとき、オリンパス「OM-1」の方はテレコンをつけていたため、さらにぼんやりとしています。
とはいえ・・・コゲラはすばしっこいので、どちらも単に被写体ブレの可能性はあります。
30~40メートル先の野鳥作例
飛翔するクロハラアジサシ
オリンパス「OM-1」
パナソニックのコンデジ「LUMIX DC-FZ85」
遠くの動く被写体を撮影すると、こんなに差が出ます。シャッタースピードの差が顕著に表れた1枚です。
オリンパス「OM-1」といえども、遠くで飛んでいる野鳥の羽毛まで鮮明に撮影するのは難しいようです。
ですが、ここでもちゃんと「AI被写体認識AF」が効いていて瞳にキャッチライト(瞳に輝きが入る)が入っています。
薄暗い枝にキビタキ
オリンパス「OM-1」
パナソニックのコンデジ「LUMIX DC-FZ85」
どちらも鮮明さは欠けます。
▼こんな場所の撮影(赤い矢印の先にキビタキ)
ですが、キビタキが見えるサイズにすると、まわりのザラザラ感が全然違います。似たような画素数なのにこんなに結果が変わってしまう。
作例は以上です。
画素数とセンサーサイズなどスペックの違い
では、ここでスペックを比較してみましょう。
オリンパス ミラーレスカメラ
「OM SYSTEM OM-1」
画素数:2037万画素
センサー:3/4 マイクロフォーサーズ
ISO感度:80〜102400
シャッタースピード:1/8000~60秒
AI被写体認識AF:あり
価格:250,000円前後
パナソニック コンデジ
「LUMIX DC-FZ85」
画素数:1890万画素
センサー:1/2.3型 高感度MOS
ISO感度:80~6400
シャッタースピード:4〜1/2000秒
AI被写体認識AF:なし
ズーム:光学ズーム60倍
価格:35,000円前後
画素数はほとんど同じ。でも、センサーサイズやシャッタースピードが違います。シャッタースピードは使い方で変わりますが、ここでは代表的な数値を紹介しました。
AI被写体認識AFの有無も大きいですね。
ミラーレスカメラ「OM-1」に、どんなレンズを使うか、被写体までの距離、天候など条件によって結果は全く違うものになるでしょう。けれど、カメラ本体の性能による違いが大きいと感じました。
センサーサイズの違い
ミラーレスカメラ「OM-1」は、上画像の水色の大きさ、コンデジ「LUMIX DC-FZ85」は1番小さい赤色の大きさ。
じゃぁ、フルサイズセンサーのカメラが良いんじゃないの?という感じですが、これまたそれぞれの良さがあって好みが分かれるところ。
フルサイズセンサー(上画像の黄色)は撮影範囲が広くなり、背景のボケ感が強くなるし、マイクロフォーサーズのセンサー(上画像の緑色)は、望遠撮影の時に威力を発揮して35mmフルサイズの2倍の使用感になるというもの。
フルサイズセンサーからマイクロフォーサーズセンサーへ買い替える人もいるので、どっちが良いとも断言できません。
でも、より鮮明に野鳥を撮影するのならフルサイズセンサーかなと個人的に思います。
AI被写体認識AFの良さ
動く被写体を撮影するとき、野鳥にピントを合わせても、瞳がピンボケしていてお尻に焦点があってしまったり、全体的になんとなく締まらない印象になったりします。
例えば、以下は「AI被写体認識AF」が無い、パナソニックのコンデジ「LUMIX DC-FZ85」で撮影した例。
手前の苔ではなく、野鳥にピントが合っているものの、なんとなく顔周り、ぼやけています。(撮影者の腕にもよりますが・・・)
これを手助けしてくれるのが「AI被写体認識AF」という機能。
オリンパス「OM-1」は
- 車
- オートバイ
- 飛行機
- ヘリコプター
- 電車
- 汽車
- 鳥
- 動物 (犬、猫)
- に対応。
に対応。野鳥の場合は「瞳」に合うようになっているので、生き生きとした表情で撮影できます。
ただ、さきほど紹介したオリンパス「OM-1」の作例のように、逆光だったり暗かったり遠かったりと条件が悪いと、この恩恵を受けられない時もあります。
考察
今回比較してみて、以下が上位であるほうが、鮮明に撮影できると分かりました。
- センサーサイズ
- シャッタースピード
- AI被写体認識AFの有無
コンデジは手軽で安価(高級コンデジもあるけれど)というメリットもあるけれど、やっぱり解像度はフラッグシップカメラにはかないません。
今回、オリンパス「OM-1」には「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」のレンズを使いました。それ以外のレンズでは違った結果になるので、参考程度にしてください。
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