神奈川県横浜市から、日帰りで行ける「野鳥観察小屋(舎)」や「野鳥観察窓」がある探鳥地、7か所を紹介します。どこもオススメの探鳥地です。
実際に訪れてみると、野山にいる野鳥、海や湖にいる野鳥それぞれ違う観察になりました。街中にあり、電車で行ける場所もあります。
- 長浜公園:神奈川県横浜市
- 県立座間谷戸山公園:神奈川県座間市
- 権現山(弘法山公園):神奈川県秦野市
- 箱根野鳥の森:神奈川県足柄下郡
- 東京港野鳥公園:東京都大田区
- 大井ふ頭中央海浜公園(なぎさの森):東京都品川区
- 葛西臨海公園(鳥類園):東京都江戸川区
長浜公園
おすすめ度
観察窓の様子
公式サイトでは観察小屋とされていますが、観察ウォール(観察壁)スタイルです。
特徴
山野や湖、河川敷、ときおり海に飛来する野鳥がメインです。
街中にあり、最寄り駅から徒歩20分前後で行くことができます。
園内のバードサンクチュアリには汽水池・人工干潟・淡水池があり、その様子を観察小屋A~Dの4つから観察することができます。
汽水池は、海と細い水路でつながっており、東京湾の潮の満ち引きによって水位が変わるため、海で見られている野鳥も観察できます。
訪問の感想
街中のため、ジョギングや犬の散歩のついでに壁を覗く方も多いです。4つの観察小屋、移動の時間は5分から10分弱。それほどかかりません。
なお、干潟は時間によって全く見えないことがあります。その状態では野鳥が羽を休める場所=干潟がありません。干潮時間を調べていくほうが良いでしょう。
▼水位が下がると見える干潟。
▼水位が下がると見える干潟。だいぶ見えている。
▼夏の淡水池
- 所在地:横浜市金沢区長浜106-6
- 開園時間:24時間
- 休園日:なし
- 駐車場:普通車 75台 2時間300円、以降20分50円
- 入園料:無料
県立座間谷戸山公園
おすすめ度
観察窓の様子
▼野鳥観察小屋2か所
▼野鳥観察ウォール
特徴
山野や湖、河川敷などに飛来する野鳥がメインです。
小田急線「座間駅」「相武台前駅」から徒歩15分前後で行くことができます。
園内は大きく育った雑木林が沢山あり、森のような環境です。歩道は整備されていて歩きやすくなっています。
中央の「水鳥の池」周辺には、屋根のある野鳥観察小屋が2つ、野鳥観察ウォールが1つ。このほか、テニスコートや湿生生態園、里山体験館などがあります。
野鳥観察小屋は解放時間が決まっており、私が訪れた2月は午前9時ころに開門されました。
訪問の感想
大きな木々が茂った雑木林なので、野鳥の声はすれども姿を見つけるのが大変。訪れるのなら、葉が落ちている時期が良いでしょう。
野鳥観察小屋からは池が見えます。時期や時間帯にもよるでしょうけれど、私が訪れた際にはあまり野鳥を確認できませんでした。
野鳥観察小屋よりも、歩道を歩いて、声を頼りに観察した方が野鳥と会えました。
野鳥観察ウォール付近は、野鳥観察以外の目的で訪れる方もいらっしゃいます。大声で話す年配の方やお子さんがいて賑やか。野鳥観察ウォール周辺は、早い時間帯に訪れた方が良さそうです。
- 所在地:神奈川県座間市入谷東1-6-1
- 開園時間:24時間
- 休園日:なし
- 駐車場:無料 普通車 146台
- 入園料:無料
権現山(弘法山公園)
おすすめ度
観察窓の様子
野鳥観察ウォール(観察壁)が1か所。
観察窓の数は少なく、大人が座って観察できる目線の高さは4つだけ。他にも窓はありますが、多くはありません。
観察窓からの眺め
常に水が循環している「水浴び場」が1つ。周辺の木から野鳥のさえずりが聞こえます。
水浴び場の上に設けられた止まり木。
特徴
山野に飛来する野鳥がメインです。
小田急線「秦野駅」から約3キロ強の位置にあります。県立自然公園に指定されている美しい公園で、ハイキングや散策で訪れる方も多い公園です。
バードサンクチュアリは権現山の山頂。展望台が近くにあり、富士山を眺めることができます。
駐車場は3か所あり、どれも24時間無料。野鳥観察ウォールから歩いて3分ほどの場所に、トイレや水道があります。
訪問の感想
水浴び場から観察窓までの距離は5、6メートルほど。水浴びをする野鳥を近くで観察できる貴重なバードサンクチュアリです。
ただ、この場所はハイキングや散策で訪れるかたも多いので、土日は家族で観察窓に立ち寄る方もいらっしゃいます。
窓を譲り合って覗くため、ここぞ!という瞬間を撮影できない、あるいは小さなお子さんだと、声や音で野鳥が逃げてしまう可能性も出てきてしまう。
訪れるのなら、平日の早い時間がおすすめです。
- 所在地:神奈川県秦野市曽屋
- 開園時間:24時間
- 休園日:なし
- 駐車場:3か所 計60台
- 入園料:無料
箱根野鳥の森(箱根ビジターセンター周辺)
おすすめ度
観察窓の様子
屋根付きの野鳥観察小屋が1か所。
窓からは、せせらぎと木々。
せせらぎで水浴びをする野鳥も訪れます。
特徴
山野に飛来する野鳥がメインです。
箱根ビジターセンターから徒歩15分ほど。こどもの広場の奥にあります。
箱根ビジターセンター周辺散策コースでは、芦ノ湖からいちばん遠くにあるので、人は少なく静か。野鳥観察のために訪れる方がほとんどです。
小規模ながら、自然の中で野鳥観察できる探鳥地です。
訪問の感想
野鳥の観察園路は歩きやすくなっており、しばらく進むと野鳥観察ウォールから見ていた景色に到着します。1周しても550メートルと小規模なので、じっくり観察できます。
野鳥の森を離れ、箱根ビジターセンター付近の歩道でも野鳥と出会うことがあります。(管理人はキジのつがい、カラ類と出会った)。
野鳥の森周辺での探鳥もオススメです。
- 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根164
- 開園時間:24時間
- 休園日:なし
- 駐車場:箱根ビジターセンター:無料 9:00〜17:00 37台 定休日あり
- 入園料:無料
東京港野鳥公園
おすすめ度
観察窓の様子
▼観察小屋3号
▼観察小屋2号
特徴
山野や湖、河川敷、海に飛来する野鳥がメインです。
4つの観察小屋と観察ウォールがあります。淡水池の他、海水が混ざった「潮入りの池」には海に飛来する野鳥が訪れます。年間を通して、様々な野鳥を観察できるおすすめの探鳥地です。
公式サイトでは前日に観察された野鳥を公開しています。訪問する前に参考にするのも良いでしょう。
また、太田市場に隣接しており、徒歩で行くことができます。市場が開いている曜日には、ランチも楽しめます。
▼詳細
訪問の感想
年間を通して様々な野鳥を観察できます。淡水池と海水が混ざる池の2つのゾーンに分かれており、それぞれ野鳥観察小屋があります。
海水が混ざるので、シギやチドリ類も飛来します。窓からは、コアジサシのダイブを見たり、ほんの2,3メートルくらいの距離で撮影できる事もあります。
今回紹介した7か所の中では、年間を通して野鳥を観察できる探鳥地だと感じています。
- 所在地:東京都大田区東海3-1
- 開園時間:
- 2月~10月 9:00~17:00
- 11月~1月 9:00~16:300
- 休園日:月曜・年末年始
- 駐車場:無料 開園中のみ利用可
- 入園料:有料 65歳以上150円、高校生以上300円ほか
大井ふ頭中央海浜公園(なぎさの森)
おすすめ度
観察窓の様子
なぎさの森 淡水池の観察窓
なぎさの森 京浜運河の観察窓
特徴
山野や湖、河川敷、海に飛来する野鳥がメインです。
「大井競馬場前」から徒歩10分ほど。電車で行ける身近な探鳥地です。
京浜運河に面し、森と干潟がある公園です。干潮と満潮の水位によって干潟の大きさが変わるため、飛来する野鳥も変わります。干潟は干潮時間を狙っていくと良いでしょう。
この他、なぎさの森には淡水池があり、観察窓から淡水池に飛来する野鳥を見ることができます。なぎさの森の自然観察路は土日祝日のみ。9:00から開門します。
都心にありながら、海、池、森に飛来する野鳥を観察できる貴重な公園です。2キロ先に「東京港野鳥公園」があります。野鳥観察のはしごをするにも良い場所です。
訪問の感想
環境は最高なのですが、飛来する数や種類は少なく、遠くからの観察になってしまうという印象です。日を改めて訪問しても同じでした。
季節やタイミングによるものもあるでしょうけれど、規模で考えると2キロ先の「東京港野鳥公園」の方が飛来する種類は多いと感じます。
ただ、無料・駅から徒歩で行ける・海と森の野鳥観察ができるという好条件。海や森に飛来する野鳥を気軽に観察できる点、オススメです。
- 所在地:東京都品川区八潮4-2-1
- 開園時間:24時間 施設内は制限あり
- 野鳥観察園:土日祝日9:00~のみ
- 休園日:なし
- 駐車場:なし 大井ふ頭中央海浜公園スポーツの森を利用
- 入園料:無料
葛西臨海公園(鳥類園)
おすすめ度
観察窓の様子
観察小屋、観察壁が数か所にあります。
▼木造の小屋もある
▼歩道沿いに観察壁が数か所
特徴
山野や湖、河川敷、海に飛来する野鳥がメインです
「葛西臨海公園」駅から徒歩2、3分。園内には「鳥類園」のほかに、水族館や広場、葛西渚橋を渡れば「葛西海浜公園」があり、レジャースポットとしても人気の場所です。
「鳥類園」は比較的静かで人も少ないので、集中して探鳥できます。鳥類園ウォッチングセンター前には、直近で観察できた野鳥を紹介しています。施設の係の方が出勤するころ、寄ってみるのもオススメです。
なお、行楽シーズンの休日は駐車場が大混雑します。貴重な探鳥時間を削ってしまうので、近隣の公共の駐車場の利用をおすすめします。
訪問の感想
大井ふ頭中央海浜公園(なぎさの森)と同じように、飛来する数や種類は少なく、遠くからの観察になってしまうという印象です。日を改めて訪問しても同じでした。
干潟の水位が下がる干潮時に訪れると、飛来する野鳥の種類は多くなります。
観察窓からよりも、池の周辺から観察した方が効率は良いです。池周辺には木陰やベンチがあるので、のんびりと観察できます。
観察窓にこだわらなければ、葛西渚橋を渡った「葛西海浜公園」で探鳥するのもおすすめです。ウミアイサ、ヒバリ、シロチドリなど街中では会えない野鳥の観察ができます。
- 所在地:東京都江戸川区臨海町6
- 開園時間:24時間 施設内は制限あり
- 休園日:なし 施設内は制限あり
- 駐車場:181台 1時間300円 以後20分100円
- 入園料:無料